ナチュログ管理画面 釣り 釣り 関東 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報
ブログ作成はコチラ
あなたもナチュログでアウトドア生活を綴ってみませんか?
オーナーへメッセージ
Information
アウトドア用品の
ご購入なら!

読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 5人

2012年02月19日

川の神業 奇跡か?幻か?

奇跡か?幻か? (長文ですお暇なときにどうぞ)

去年の天然アユ遡上大作戦で感じたことがありますサカナ

入間川(名栗川)の調査担当だった拙者ですが、

この入間川、実は魚が激減しています。かなり広範囲で調査したのですが・・・

小魚がいない

清流といえば、ウグイやオイカワなどの小魚は普通当たり前にいますが

名栗川では、アユ以外の魚がいない事に気づきます。

漁協のアユ放流がない所では、本当に魚の気配がありません。

生態系の危機を感じます。

そのせいでしょうか?上流部の釣り人も悲しいぐらい少ないですし

子供達の水遊びも以前より見かけなくなりました。

ひとの気配もない川辺は荒れ放題になり、調査時もポイントへ行くのに一苦労です。

アユ釣り仲間にも協力してもらい、広範囲にプロジェクトの標識アユを探しましたが

一向に捕まらず

楽しかった入間川は、この先もう終わってしまうのか・・ガーン

調査すれば調査するほど暗い洞穴に入る気分でした。




「あれだけ放流したアユはどこへ行ったんだ!」

いまだ標識アユが入間川では取れていないことに、少々焦りも見えた。


おとり屋も終了する8月の末日に、仕事を切上げ、夕刻に調査放流した場所へ向かう。

その場所は、拙者がアホな小学生の頃、一人でテント張ってやんちゃな事をした場所だった。

目の前には悠々と流れる川と、巨岩の淵を覗けば、

ものすごい数の小鮎、ハヤ、ヤマベ、シマドジョウやツチフキ、大きなカマツカなどがいて感動したのを覚えている。

心配した母親が、橋の上から大声で叫んで、迎えに来た事があった思い出の場所でもある(笑)


その橋の上で思い出に浸りながら、魚のいなくなった入間川を覗くと、

「ん?!なんだかアユの気配がするぞ!」

ダメ元で竿出してみるか?

夕方4:00頃。普通じゃ竿たたむ時間。

せわしなく7.2mの短竿を用意し、家で飼っておいた頼りないおとりを泳がせると、



「ガ!ギューン!」



手元に稲妻が走った。


「いたよやっぱり!」

しかも良型のアユだ!

そして、

「あっ!アブラビレがないぞ!」
やっと捕獲成功!ぴよこ2
川の神業 奇跡か?幻か?標識アユ24cm

ほかにも大きなアユ
画像があったのですが
PCが壊れ消えました

最大は26cmも















それからというもの、良型ばかり爆発的にかかり、

高切れ4回、0.4つけ糸に短竿でのされまくり、

それでも1時間で11匹、うち6匹の標識アユを確保しました。


悔しいことに時すでに遅く、暗くなってしまい、

突然の出来事に興奮も冷めやらず、そのままアユをおとり缶ごと川に浸け、

「何とか都合つけてもう一回やろう!」もっとデカい奴がいるはず。


何よりも、みんなで標識放流した遡上アユが

川の環境に合って、大型になっていたのがとてもうれしかった。


そして翌々日は台風の影響で大雨、増水した川のおとり缶を必死の思いで救出!

その後、見る見るうちに川は濁流となり、アユシーズン強制終了ガーン

思いは残りましたが、調査の目的も無事達成し

放流場所からすぐ上の堰は問題があることも指摘できます。

「まだ、入間川には可能性があるぞ!」

しかも関東で考えられないぐらいの良型ばかり、

これは漁協と行政に働きかけ、地元の人たちと盛り上げれば、以前の入間川に戻るかもしれない。

ほんの少し希望が持てた。


でもやはりアユの里と呼ぶには天然遡上が必須条件です。

入間川は川越の菅間堰下まで天然遡上が確認されています。

その堰には現在魚道がないのですが、荒川流域ネットワークの働きかけも功を奏し

近いうちに魚道が整備されることになっています。

ですがその次の上流にある「上奥富堰」

この堰から水を引いた水路は「赤間川」と呼ばれ次に「新河岸川」となり、最終的にあの有名な「隅田川」になります。

いわば隅田川の最上流部とも呼べるのが

「上奥富堰」(かみおくとめ)

この堰は2.5m~の落差があり、その下には無数のテトラ地獄があります(ありました)

もう、どうやっても魚は登れません。しかも洪水の度に川底がえぐられ、

間に合わせのように無計画にテトラが埋めてあります。

「そうだ、上奥富の堰があった。あの堰がある限り、天然アユなんか期待できる訳がない」

また行政に働きかけ壊そうとすれば、金がかかるの何だのってはぐらかされて進まないはずです・・・





やっぱり、入間川に天然アユなんて無理なのか・・





そこで、奇跡が起きたのです!




川の神業 奇跡か?幻か?上奥富堰決壊





















川の神の力か?奇跡か幻か!

上奥富堰が決壊しました。


何トンもあるテトラも遠くへ流されました。

川の神業 奇跡か?幻か?





















川も本来の姿を取り戻し、きれいになりました。


川の神業 奇跡か?幻か?瀬ができた






















アユ師ならわかると思いますが、アユの好きそうな玉石がごろごろあります。


川の神業 奇跡か?幻か?





















これだけの量を押し流すパワーは相当なものです。



川の神業 奇跡か?幻か?






















こんな遠くまで来ました。



川の神業 奇跡か?幻か?






























川は流れるようになりましたが、土手まで流されては大変です。

  
ただ今、復旧作業中です
川の神業 奇跡か?幻か?























川の神業 奇跡か?幻か?この先は
壊すわけにはいかない





















ここから引く用水は

実はあまり使われていないそうです。それならば堰はいらないのでは。

川の神業 奇跡か?幻か?





























以前の淀んで水色も悪かった堰上流部は、活き活きとして河原もきれいになりました。



川の神業 奇跡か?幻か?























天然遡上アユを呼び戻すことに諦めかけた時、まさに奇跡が起こりました。

この事実を知った時、

「とりあえず元の川に戻したぞ!あとはお前たち人間が何とかせい!」と

天の声が聞こえたような気がします。



環境問題へ光が差した出来事でした。

今年も天然アユ遡上大作戦!頑張ってみようと思います。


川の神業 奇跡か?幻か?


同じカテゴリー(アユの棲む荒川水系の環境)の記事画像
天然アユを活かした川の再生と地域おこし
第16回 荒川流域再生シンポジウム
東北の子供たち・埼玉の子供たち・都幾川で遊ぼう!
川 もう一つの楽しみ
同じカテゴリー(アユの棲む荒川水系の環境)の記事
 天然アユを活かした川の再生と地域おこし (2012-02-23 01:56)
 第16回 荒川流域再生シンポジウム (2012-02-01 06:00)
 東北の子供たち・埼玉の子供たち・都幾川で遊ぼう! (2011-08-01 18:11)
 川 もう一つの楽しみ (2010-04-12 01:45)

この記事へのコメント
天然鮎( ´艸`)
登ってくると良いですね(´▽`)
川よ蘇れ(^_^)v
Posted by 164 at 2012年02月20日 17:20
164さん>

ありがとう!

アユ釣りのもう一つの楽しみ^^

「天然アユを増やす事」

最近そんな夢があってもいいなと思ってます。
Posted by matazamataza at 2012年02月20日 18:23
上奥富堰が決壊!!!


きっと

matazaさんが

「バルス!」

って叫んだんでしょ (笑)
Posted by 鮎原人 at 2012年02月21日 14:46
鮎原人さん>

決壊した堰を見て、「おおっ~!」とは叫びましたが(笑)

しかし、人工的なものは必ず壊れますね。

池田教授の名言通り、「人工物は必ず壊れる」定義です。
Posted by matazamataza at 2012年02月23日 02:20
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
川の神業 奇跡か?幻か?
    コメント(4)