2010年11月17日
玉淀ダムの環境への影響を考えるシンポジウム
が秩父歴史文化伝承館で開催され、
又左も参加して来ました


秩父歴史文化伝承館ホール
シンポジウムなので、この会議で何かが解決するというわけではありませんが、
国内で問題になっているダム問題、そしてダム撤去事例などの報告があり、
撤去方法に様々な解決策が必要だという事を、改めて学びました。

データベース化に努力されている
溝口隼平氏
まず思ったのは、巨大建造物解体の方法が明らかでない為、
玉淀ダムに関しては、
いい加減な業者の撤去費用見積170億円かかると
脅しにも似た法外な数字を突きつけられ、
それを叩き台に話が行われているという事。
又左は建設業を営んでおりますので、ある程度の建設費用は察しが付きます。
どう考えてもそんなにはかかりません。
埼玉県荒川
現在の玉淀ダム
高水時は
ゲートが開放します
このダムに
治水能力はありません
撤去の決まっている球磨川荒瀬ダムの撤去費用は
多く見積もっても40億円弱という事です。
しかも荒瀬ダムは、玉淀ダムの倍の大きさです
熊本県球磨川
現在の荒瀬ダム
2012年に撤去が決まり
ゲートが開放しています
開放することで
砂を海に運ぶようになり
球磨川河口では
アサリハマグリ等の
漁獲高が上がったそうです
ダムを撤去することによって
環境だけではなく
経済が良くなるのです
この辺り、本気で考え直し、
スタートすれば、玉淀ダム解体は実現可能だと思います。
玉淀ダムの発電力は、わずか570kW 住宅200戸分。
ソーラーパネルに変換すれば事足ります
玉淀水力発電所
極小規模の発電の為に
荒川が堰き止められています
クリーンエネルギーと称し、
水力発電を表彰する発想は実にナンセンス
県では赤字を出し続ける
この玉淀ダムを
数年前
民間に売却しています
ダムを作ることにより多大な森林が伐採され
広大な面積の自然が湖底に沈み
水環境は破壊され
水生態系は断絶し
更に漁業・観光サービス業などは破滅に追いやられ
ダム湖周辺では地盤が緩み、危険地域と化し
ダム建設は、
一時的なメリットよりも、
長期的デメリットの方がはるかに大きいのです
CO2を出さなければ、エコだとか、環境に良いとか、
誤った発想は、改めなければなりません
ダムを作ると、その地域は数十年後に必ず問題となります。
用水の利用水量は
計画的に行われていないのが
現状です
農業取水目的にしても、農業家の数は、ダム建設当時より急激に減少しています。
高度成長期の日本には無くてはならなかったダムかもしれません。
ですが技術の進歩と共に、機械的ライフスタイルも変化しなければなりません。
機械は機械、いずれ壊れます。
取水口
このダムは
一生荒川に
有り続ける意味が
あるのだろうか
そして玉淀ダム周辺、波久礼地区在住の方の
生き証人的発言は、心に残りました。
玉淀ダム・建設計画当時、
県の担当者は住民に、
地域経済観光に効果があると言いふらして
建設を推し進めていたとの事。
当時、地域住民はダムに関しては良く分からず、
忙しくしていた農家住民の人たちは、何の事だか分からないまま
玉淀のダム建設を賛成してしまったそうです。
そして、ダム建設後の玉淀周辺は、観光地とは程遠く、
長瀞から玉淀まで
荒川ライン下りが出来て賑っていた瀬は、湖底に沈み、
異常なほどの水面上昇により、湖岸の侵食で、畑や道路の崩落が始まり、
アユ、うなぎ、モクズガニ等が取れなくなり、観光客は皆無、岸辺は危険な為、寄り付きにくく
ダムが出来てからは、何も良い事がありませんでした。
住民代表の方はしみじみと、
「あの時、何が何でも玉淀ダムは作らせてはいけなかった
反対するべきだった。馬鹿だったなぁと後悔しています・・」
こう言われていました。
お気持ち察します・・
玉淀湖
湖底には
かつての景勝地
玉淀の
名だたる激流の瀬が
数十箇所も沈んでいます
玉淀ダム上から、下流水面17mの落差があり、ここで水生態系は断絶します。
台風や高水時はゲートを開放する為、かえって危険なダムとなります。
地震時にダムが壊れるようなことがあれば一大事です。
作り手は、ダムが壊れることなど無いと、言い切るのが当然ですが、
地質学的観点で言えば、
川周辺は断層が連なり水を排出し、活断層が無数にあります。
ダムは100%安全といったら嘘になります。
実際数年前に、玉淀ダムが壊れた事もありました。
急激に水が増え、
荒川下流の、川本白鳥渡来地に居た水鳥達は
ビックリして、自宅近所まで飛んで来た事がありました。
玉淀ダム上から
下流を望む
下流域は
ダム川特有の
濁り水の色をしています
決して良い水質とは
言えません
素晴らしい川なのに・・
ダム撤去事例は、データこそ残っている物が少ないですが、
多数例あります。
自分が知っている限りでは、
秋田県斎内川と言う、ものすごく綺麗な水と風景美な場所に
かつて発電所ダムがあったと記されている場所がありました。
綺麗に撤去されていて、今では大自然そのもの、
40cm級のヤマメもいたり、
紅葉が大変美しい場所に、生まれ変わっています。

アユに良い瀬が続くものの
天然アユは
居つけない川となっています
先代達は、臨機応変に建造物を環境に合わせ
作り変えて来た事も確かです。
玉淀湖湖底に沈んだ、数十箇所の瀬がよみがえった時、
人々の幸せも訪れるのではないでしょうか

「県が民間に売却しちゃったからもう当分無理だ。。。」
秩父の人の無念そうな言葉を思い出します。
レポートありがとうございます。
僕が生まれた時にはダムがあったワケで、
昔の景勝地やら生態系は知らないのですが、
玉淀ダムが大して役に立ってないこと位はわかります(笑
素人考えで申し訳ないのですが、
撤去しないでもゲート全開放で話は済むのではないでしょうか?
日本には署名運動と言う方法があります。
諦めるにはまだ早い。
一人ひとりの努力が、大きな力になります^^
時代が変わり、
県当局者にも理解・感心があり、今着々と進んでいることは確かです。
>狂的KOJIさん
環境問題は私らが生まれる前から起こっていることが多いです。
その付けを現在の人たちがカバーしているのです。
次の世代には、国の方針通りに行くと、確実に川は単なる水路と化し、
川遊びも出来ない、命の尊さも知らないクソガキが増え(笑)
喜怒哀楽も無い、薄汚れた社会になってしまうでしょう・・
まずはゲートを開けてみてその次どうするか?
ダム構造にも色々ありますが、頭首工のような構造は基礎杭が打ちつけられており、基礎が堰のようになってしまっています。それが無ければゲートを開けるだけでOKだと思います。
玉淀はスローブ状のコンクリ基礎が2m~落差5mはあると思いますので、やはり解体が必要かもしれません。
ただ、一つ言わせて下さい。
解体費用が何億、前例がナンタラ・・・
わかります。
でも・・・『開けてみなよ。そこから話すればイイじゃん!』と。
ボクは専門じゃないから、素人考えに反論もあるだろうけど
玉淀ダム程度のゲートなら、開放すれば魚の行き来は出来るのではないかと。
逆に言えば「データ」主義の人達が、コレじゃなきゃダメ!
と、固執してる気がしてなりません。。。
長くなりましたが、NO!ダムなのは同じ考えですから。
上手く『落としどころ』を模索するのがベターかと思いますだ。

面倒なことは言わずに壊せれば世話ないね!
自分は自衛隊で処分に困ったミサイルを、
玉淀にぶち込めば仕事が速いと思っています(危)
ただ、役人を口説くには、確たる証拠と理論攻めで行かなければ、
行動に起こせないのが日本の仕組みです。
回りくどいのは百も承知で
自分は最近ボランティア参加しています。
それは何故か?
環境問題は、文句を言う親父達ほど何もしない。
具体策・打開策も持たずに、くだを撒き散らしている・・
だから何十年も変わらずにいる
そんな奴より、
学者ボランティア団体の
少々回りくどい連中の方が行動を起こし、はるかに立派です。
行動派の自分は、
その歯がゆさの中でじっくり同志を募っているのです。
KOJIさん、来年の荒玉ではおとり屋すべてで、玉淀ダム撤去・もしくは開放の
署名運動をされてはいかがでしょう。勿論、秩父の連中と協力して。
何もしないより、したほうがいいよ。
今年より来年、又来年と良い方向に向かっていくはずです。
感情的発想は環境問題には無力です・・
焦らず確実に巨大な人々の意思が解決策となるでしょう。
某名古屋の幽霊署名とは違い、確かですよ! (爆)
勿論OKでしょう!
アユ釣り業界、メーカーやテスターが釣るばかりで、
生態・環境問題に関心なさ過ぎですから・・
特に私ら大アユ激流派が、声を大にして行きましょうよ!
心ある鮎師の協力が、良い川を作るに決まっています。